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【羽生結弦2019-2020】なぜシーズン中プログラム変更?SEIMEI再演理由とは!

2019-2020シーズン、
途中からプログラムを変更し、FSで3度目の「SEIMEI」を演じた羽生結弦選手。

シーズン当初のプログラムは、
前シーズンと同じ、
SP「秋によせて」FS「Origin」でした。

どちらも思い入れがあり、
成績もGPカナダ大会では322.59という高得点で優勝し、順調に見えました。

しかし、四大陸選手権からの
急なプログラム(SP/FS)変更

「なぜ?どうして?」と誰もが驚きました。
理由は、いったい何だったのでしょうか?

「秋によせて」「Origin」について

まず、そもそも、平昌オリンピック後、
SP「秋によせて」FS「Origin」を選んだ理由は何だったのでしょうか。

そして、今シーズン、この2つのプログラムを持ち越すことにした理由は、何だったのでしょうか。

平昌OP後「秋によせて」「Origin」を選んだ理由

「秋によせて」は、羽生選手の憧れの選手ジョニー・ウィアさんがかつて演じたプログラム。

「Origin」は、
敬愛するエフゲニー・プルシェンコさんのかつてのプログラムをアレンジしたもの。

平昌オリンピックの次シーズン、
この2つのプログラムを選んだのは、

オリンピックからの重圧から開放され、
「今シーズンは、滑りたい曲と構成」で、羽生選手が楽しんで滑りたいと思ったからだそうです。

今シーズン「秋によせて」「Origin」を持ち越した理由

昨シーズンは、
以前、GPロシア大会/FS前の公式練習で、靭帯損傷した右足首を再び負傷し、
GPファイナル、全日本選手権は欠場。

世界選手権では惜しくも2位でした。

「昨季は試合数をこなせなかった。
SP、フリーともまだ自分の中で完璧のものができていないのが心残り。

このプログラム自体を負けたままで終わらせられないな、という気持ちがあった」

スポニチAnnex「羽生「完璧」求め2季同じプログラム
「負けたままで終わらせられない」より抜粋

2つのプログラムを、
完璧な仕上がり、満足いく結果にするため、次シーズンも同プログラムを選択することにしました。

「SEIMEI」について

【FSプログラム曲「SEIMEI」】

映画「陰陽師」のサウンドトラック盤の何曲かを繋ぎあわせ、編集した羽生選手FSプログラムのためのオリジナル曲です。

「SEIMEI」というタイトルは、
羽生選手が付けたそうです。

「SEIMEI」は、
羽生選手が2015-2016シーズンで、
初めて披露したプログラム。

日本の音楽や伝統文化、能や舞に見られる和の美しさを伝えた名プログラムです。

プログラム変更は、前に進むため

プログラムの変更を決めたのは、
12月に行われた、
GPファイナル全日本選手権で2位に終わった後、年明けだそうです。

SP/FSともに、羽生選手の敬愛している憧れの選手、
ジョニー・ウィアさん
エフゲニー・プルシェンコさん、への
オマージュを込めた作品でした。

プログラム変更について、羽生選手のコーチ、ブライアン・オーサーさん
のお話では、

「誰かに敬意を込めて演目を滑ると、奥行きに限界がある。
自分のために滑れば、より深みが出てくる。再演は前に向かうために必要だった」

産経フォト
「羽生結弦、再編集
「SEIMEI」披露現行ルールに合わせ」より抜粋

「誰かにリスペクトを込めることで、演技に深みが出なくなる」、
何となくわかる気がしますね。

前向きな決断だった、ということですね。

「もう少しだけ、この子たちの力を借りてもいいかな」

プログラムを変更後に望んだ四大陸選手権の公式練習後、
羽生選手がインタビューに答えています。

GPファイナルが2位になり、
全日本選手権も2位で終わった後、こう感じたそうです。

オトナル(秋によせて)もOriginも自分の呼吸じゃないな、と。
高難度を入れれば入れるほど、スケートの部分がおろそかになってしまっていました。
曲を外してジャンプをセットしにいくのが嫌で耐え切れなかった。

もちろん達成できた時の喜びは計り知れないものがあるんですけど、
二十何年間やってきたスポーツを考えた時、目指すものが違うと。

やっぱり自分はジャンプと音楽の融合が好きなので。

日刊スポーツ「羽生結弦が羽生結弦であるために…自分らしく滑りたい」より抜粋

ジャンプを跳ぶタイミング
音楽のテンポ・流れを合わせるのは、簡単なことではないのでしょうね。

こうも答えています。

(選曲した2年前は)五輪が終わった後でフワフワした気持ちでいたんです。
ウィアーさん、プルシェンコさんの背中を追う少年のままでいたような。
確かに全日本のオトナルもスケートカナダのOriginも良かったですけど、自分の演技として完成できないと思ってしまって。
自分の中で苦しくなっていました。2人の背中という理想が高いゆえに…。

日刊スポーツ「羽生結弦が羽生結弦であるために…自分らしく滑りたい」より抜粋

「2人の背中という理想が高いゆえに」というのは、
オーサーコーチが指摘していた
「誰かに敬意を込めて演目を滑ると、奥行きに限界がある」ということですね。

羽生選手は、色々な思いを感じながら、全日本選手権EXで「SEIMEI」を披露します。

その時、滑っていて心地いい、
自然と曲に溶け込めるような感覚に包まれたそうです。

ものすごく「自分でいられるな」と。
もう少しだけ、この子たちの力を借りてもいいかなって。
自分らしく滑りたいのが一番。
それができるプログラムが今はバラード第1番とSEIMEIなのかなと感じて。
ほかに曲が見つかれば良かったんですけど、これを超えられるものはまだ自分の中にないので、これに決めました。

日刊スポーツ「羽生結弦が羽生結弦であるために…自分らしく滑りたい」より抜粋

ジャンプと音楽との融合、曲との一体感を大事にする羽生選手にとって、
プログラム曲の選択は、とても重要なんですね。

また、
「SEIMEI」のように、
完璧な一体感を感じられ、自然に自分らしく滑ることができる
という曲に出会ってしまうと、
それ以上の曲と出会うのは、簡単なことではなさそうです。

まとめ

プログラムをシーズン途中から変更したのは、

①「秋によせて」も「Origin」も、
ジャンプと音楽の融合が、思うようにいかなかった。

②オマージュするプログラムは、
演技に奥行きが出づらく
また、自分のスケートができなかった。

自分でいられる、自分らしく滑ることができるプログラムは、
今は「バラード第1番」と「SEIMEI」だった。

ということですね。

やはり「SEIMEI」は羽生選手にとって、
自身の分身のような、
とても大切で特別なプログラムだということがよくわかりました。

確かに「SEIMEI」は素晴らしいプログラムですが、ファンとしては、
他の新しい曲・プログラムも観たい!って思いませんか。

色んな物語を演じる、色んな羽生選手が観たいですよね!

羽生選手が、自分らしく滑れる曲が、
他にも見つかるといいですね。

そして「秋に寄せて」も「Origin」もステキなプログラムでした。
ファンの心にはずっと残るでしょう!